初めての登山靴、どんな登山靴を選んだらいいの?
そんな疑問を解決するため、登山歴10年以上、年間50回程度の登山をする私が徹底的に解説します!
登山靴、トレッキングシューズはなぜ必要?
登山をやるほとんどの人が持っている登山靴。
普通の靴とは何が違い、なぜ登山のときにはわざわざ登山靴を履くのでしょうか?
登山靴と普通の靴の違い
平地では歩きにくい登山靴ですが登山ではなくてはならない存在です。
登山靴とスニーカーなどの普通の靴では違う点がいくつかあります。
ソール(靴底)が厚くて硬い
登山靴の一番の特徴と言えるのがソールが硬いということでしょう。
登山では岩の上や石ころ、木の根っこなどど平らでないものの上を歩くことが多くあります。
そのため登山道を長時間歩けるように登山靴のソールいわゆる靴底が普通の靴よりも厚く硬く作られています。
登山靴は歩きやすくて滑りにくい、そして長時間歩いても疲れにくいようにできています。
足首が長い
登山靴の種類にもよりますが、足首の部分が長くしっかりと足首を固定して歩けるのも登山靴の特徴です。
登山において足を痛めることは大きなリスクとなるので足を挫いたりしないようしっかりと足首を固定されていることが重要です。
登山靴が必要な理由
これらの特徴から登山靴での登山には以下のメリットがあります。
✔岩場などを歩きやすい
✔滑りにくい
✔長時間歩いても疲れにくい
✔足首を怪我しにくい
裏を返せばスニーカーなどでの登山は歩きにくいし滑りやすい、さらに疲れやすいし怪我もしやすいということになります。
登山靴の種類
登山靴の中でも場面に応じていろいろな種類があります。
本格的に登山をやる人は登る山に応じて登山靴を使いわける人が多いと思います。
私も3種類の登山靴を持っています。
その種類の一番の違いが足首の部分の長さです。
一般的に足首部分の長さは3種類に分けられ、短いのがローカット、長いのがハイカット、その中間の長さをミドルカットといいます。
ローカットほど普通の靴に近く、ハイカットになるほどソールも硬くなる傾向にあり素材も厚く当然重さも増してきます。
ローカット
一番足首が短く作られているのがローカットの登山靴です。
登山靴なのでスニーカーよりはソールが硬めに作られていて足首が短いので足を動かしやすいですが、標高差のある登山では怪我のリスクも高まり疲れやすいのであまり向きません。
ローカットの登山靴が活躍する場面としては標高差が少なくて道もしっかりと整備されている遊歩道での散策や簡単な里山などです。
他にも平地でも問題なく歩きやすいのでそのまま街中も歩けたり、走ったりすることにも向いています。
ローカットの登山靴は基本的にトレラン(トレイルラン…山を走ること)用として作られているものが多いです。
山を走ることは当然ながらかなりの体力が必要です。
私も登山者として1日で10時間くらい山を歩いたことがありますが、山を走るとなると全くの別競技でそう長く走れるものではありません。
トレランは荷物もかなり軽量にして行うものなので登山を始めようと考えている人にはやはりローカットの靴は向きません。
ハイカット
ローカットとは逆で足首が長く作られており、ソールはより硬く厚い。そして素材も厚くしっかりとして重量感がある登山靴です。
いわゆるガチ登山向けです。
ハイカットの靴は重い荷物を背負うテント泊や山小屋泊、雪山登山などに向いています。
登山用としては申し分ないものですが、平地を歩きにくかったり登山靴自体も重いです。
また5万円程度する高価なものも多く初心者にはやや敷居が高いです。
ミドルカット
ローカットより足首がしっかりと固定され、ハイカットより重量感がないのがミドルカットの登山靴です。
初めての登山靴としてはこのミドルカットがおすすめです。
初めての登山靴選びということを考えてみると、
ローカットは動きやすいが怪我をしやすくちゃんとした登山にはあまり向かない。
ハイカットは重い荷物を持つ登山には向いているが、登山初心者には重い荷物を持つような登山をするかわからないし、初心者が履くにはあまりにゴツすぎて高額すぎる。
以上からやはりこのミドルカットの登山靴が最適かと思います。
登山靴を選ぶポイント
それでは登山靴を選ぶポイントについてまとめてみたいと思います。
サイズ
サイズについては何足か履いてみてフィット感を確認してみることが大切。
一般的には少し大きめで履いたときにかかと側に指一本分くらいの余裕があるといいとされています。
足の長さのフィット感はもちろん足の幅も意識して確認してみるといいでしょう。
素材
昔からあるオールレザー(革)はいかにも登山靴といった感じでかっこいいですが、手入れが大変だったり重かったり初心者にはなかなか扱いが難しいものです。
そこで初心者には革に比べて軽量で履きやすいGORE-TEX(ゴアテックス)を採用した登山靴がおすすめです。
GORE-TEXというのは防水透湿性の素材でアメリカの会社が開発した素材です。
防水透湿性というのはいわゆる外からの水の侵入は防ぐが内側の水分は外側へ逃がすという性質です。
つまり防水だけど蒸れないという素晴らしい素材です。
GORE-TEXは登山靴以外にもレインウェア、グローブ、帽子など様々な製品に使われています。
ぜひチェックしてみましょう。
ソールの硬さ
ソールの硬さは柔らかいと地面を蹴りやすいが足首とつま先が曲がりやすいぶん怪我をしやすい。
逆に硬いと怪我をしにくいが地面を蹴りやすい。
標高差の少ない山や平坦な道を歩くなら柔らかいソールがいいが、岩場や足場が不安定な場所が多い登山道ではソールが硬いほうが歩きやすいし疲れにくいといえます。
重さ
一般的な登山靴の重さは片足で概ね500〜600g程度。
トレラン用やハイキング用のローカットのものは300g程度。
雪山でも使えるような本格的な登山靴は1000g程度になります。
初めての登山靴はあまり重くないもので600g以下くらいなら使いやすいと思います。
靴ひも
登山靴には一般的な靴ひもの他にワイヤーを使用したダイヤル式のシューレース(靴ひも)があります。
靴ひもに比べて着脱が簡単なことに加えて、 一度締めたら緩まない、グローブをしたままでも操作しやすいなどのメリットがあります。
逆に価格が高い、壊れた場合の交換に手間がかかるなどのデメリットもあります。
私もダイヤル式のものは使用したことがないのですが、使用したことがないとなんか壊れないか不安なものです。
しかし各メーカー当然登山靴でも使用できるよう考慮しているし実際はとても丈夫にできているようです。
価格
価格は登山用にしっかり使えるか怪しいもので5000円くらい。
ちゃんとしたメーカーの登山靴は15,000〜30,000円くらいが多いですね。
雪山でも使える重量感のある登山靴だと50,000円程度はするものが多いです。
登山靴ブランド(メーカー)の紹介
それではここで初心者にもおすすめの登山靴を販売しているブランドを紹介します。
mont-bell(モンベル)
登山をやっていない人でも知名度の高いmont-bell。日本の信頼できるメーカーです。
日本各地に直営店も持っていて確かな品質で比較的安価。
商品ラインナップも充実でmont-bell製品だけで登山用品は一通り揃います。
個人的には登山用品のUNIQLO的な立ち位置だと思っています。
Caravan(キャラバン)
Caravanは60年以上の歴史がある日本のメーカーで登山用品の中でも主に登山靴を扱っています。
価格も比較的安い物が多いです。
THE NORTH FACE(ノースフェイス)
アウトドアブランドまたはファッションブランドとしても人気の高いノースフェイスはアメリカで誕生したブランドで登山靴も製造しています。
登山を知らない人にとってはオシャレなイメージが先行するかもしれませんが登山用品としても品質は確かです。
MAMMUT(マムート)
象のマークが目印のマムートは若者中心に人気のブランド。
登山靴だけでなく登山用品全般を扱っています。
少し高価なイメージがあるブランドですね。
SCARPA(スカルパ)
スカルパはイタリア語で靴を意味する言葉で靴を中心に製造しています。
SIRIO(シリオ)
イタリアの靴製造技術を日本人の足に合わせたいということで誕生したのがシリオというブランドです。
徹底的に日本人の足の特徴にあわせた登山靴を作っています。
MERRELL(メレル)
メレルはアメリカ発祥のシューズブランド。
日本にもいくつか直営店があります。
各メーカーの登山靴を比較してみた
各メーカーの登山靴を表で比較
初心者におすすめのミドルカットで素材はGORE-TEX採用の信頼できるメーカーの登山靴を比較してみました。
画像 | ブランド | 国 | 商品名 | 公式価格(税込) |
---|---|---|---|---|
mont-bell モンベル | 日本 | マウンテンクルーザー400 Men’s | ¥20,350 | |
Caravan (キャラバン) | 日本 | C1_02S | ¥20,900 | |
THE NORTH FACE (ノースフェイス) | アメリカ | スクランブラー ミッド GORE-TEX インビジブル フィット(メンズ) | ¥26,950 | |
MAMMUT (マムート) | スイス | Sertig II Mid GTX Men | ¥26,400 | |
SCARPA (スカルパ) | イタリア | モヒートハイクGTX | ¥30,250 | |
SIRIO (シリオ) | 日本 | P.F.302-GTX シューズ ユニセックス | ¥19,250 | |
MERRELL (メレル) | アメリカ | MOAB 3 SYNTHETIC MID GORE-TEX | ¥18,700 |
ミドルカットでGORE-TEX採用の登山靴を集めてみましたが、モンベル、キャラバン、シリオ、メレルが20,000円くらい。ノースフェイス、マムート、スカルパが25,000円を超えてきました。
思ったより価格に幅がありませんでしたね。
雪山で使えるような登山靴だとどのメーカーでも価格はこれより高くなります。
謎ブランドの安い登山靴はどうなのか
Amazonで登山靴を見てみるとこのような激安の靴がトレッキングシューズとして売られています。
正直私はこのような価格帯のものは使ったことはないのでわからないのですが見た目は普通の登山靴と変わりません。しかし、これは私の憶測ですがちゃんとしたメーカーの登山靴に比べて水が染みる、蒸れる、ソールが薄いなどのリスクがあるのではないかと思います。
ただこういう靴も安いので気軽に使い捨てられるというメリットもあります。
初めて登山靴を買う人にとっては「続けられるかわからない登山靴に10,000円以上も払えない」という思いは当然あるので買ってみるのも意外とありかもしれません。
一度こういった靴で簡単な山を登ってみて本格的な登山が続けられるか考えるいい機会になる。また履いて歩くことで自分に必要で好みな登山靴がわかってくる可能性もあります。
ただこういう安い登山靴は岩場などがない整備された登山道のある低山でのみ使用することをおすすめします。
どこで登山靴を買うべきか
登山靴をどこで買うかというと基本的に登山用品店かネットで買うかの2択になるかと思います。
登山用品店で買う
靴という特性上どうしても試し履きが必要となりますので登山用品店で買えばまず間違いないでしょう。
登山用品店で買うメリット
- いろいろなメーカーの登山靴を試し履きができる
- 店員が登山経験者であることが多いので確かな情報が得られる
- 質感、サイズ感などが実際に見られる
登山用品店で買うデメリット
- ネットより価格が高いことが多い
- 自分に知識がないと店員に高価な商品を勧められてしまうことがある
- 趣味に合わないものを勧められたときに断りづらい
このように登山用品店で買うのにデメリットがないわけじゃないですが、登山に詳しい店員さんおすすめを買えば基本的には問題ないでしょう。
ネットで買う
実は私は登山用品に限らずお店で店員に相談して買うのがあまり好きではありません。
どうしても自分の方が知識が劣るので「高額なものを売りつけられていないか」と考えてしまったり、全く自分の趣味に合わないものを勧められたときに断りにくいと思ってしまうからです。
そこで「じゃあネットで買おうか」と考えるわけですが登山靴を試し履きせずに買うのはさすがに私もおすすめしません。
そこで今はネット購入でもこんな仕組みがあります。
Amazonでは商品によって「Prime Try Before You Buy」が利用できます。
「Prime Try Before You Buy」とは簡単に言うとAmazon Prime会員なら無料で7日間お試しして気に入らなかったら返品、気に入ったら7日後にそのまま購入となる神システムです。
一部の商品がこの「Prime Try Before You Buy」の対象となっています。
この仕組ならAmazonで登山靴を買って試し履きしてみてサイズが合わなかったら返品するということができます。
ネットで初めての登山靴を買うならズバリこれ!
登山用品店で登山靴を購入する場合に何を選ぶかは店員さんにおまかせして、ネットで買う場合の私のおすすめする登山靴です。
すべてこの記事を書いている時点で「Prime Try Before You Buy」の対象となっている商品をピックアップしています。
キャラバン C1_02S
日本の老舗メーカーであるキャラバンの代表的なモデルです。
初心者でも違和感なく履きやすく動きやすい設計となっています。
Amazonだと定価よりかなり安くて初めに購入する登山靴の価格としてもいいですね。
ノースフェイス スクランブラー ミッド GORE-TEX インビジブル フィット
デザインやファッションとしても人気のノースフェイスの登山靴です。
機能としても問題なし。GORE-TEXを使用した素材で快適に登山を楽しめます。
まとめ
登山靴を購入すると俄然やる気が湧いてくるものです。
自分の足で登った山からの絶景はとても気持ちがいいですよ!
この記事を読んで自分のお気に入りの登山靴で登山を楽しむ人が増えたら嬉しいです。
新潟県在住。登山歴約10年の30代男性。地域コンプリート型登山家として新潟の山を制覇します。
たまにキャンパー。
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