登山をしているとよく見かける杖をついて歩いている人。。。。
それは登山ではトレッキングポールと言います。ストックなんて言われることもありますね。
なるべく荷物を増やしたくない登山において、このトレッキングポールはなんのために使っているのでしょうか?
そんな疑問を解決するため、登山歴10年以上、年間50回程度の登山をする私が徹底的に解説します!
なぜトレッキングポールが必要なのか
ではなぜトレッキングポールが必要なのでしょうか。
トレッキングポールには使う派、使わない派いろいろいます。
使う人には両手に2本持って使う人が主流かなと思います。
トレッキングポールには疲れを軽減するなどのメリットがありますが、結構歩くときに邪魔だったりデメリットもあります。
そんなメリットとデメリットについて考えてみましょう。
トレッキングポールを使用するメリット
トレッキングポールはなぜ必要なのでしょうか?
トレッキングポールを使うメリットはいくつかあります。
メリット① 足腰への負担を軽くする
トレッキングポールを使用する一番のメリットは足腰の負担を軽くするということです。
1〜2時間程度の登山ならそれほどトレッキングポールに頼らなくても大丈夫ですが、5時間以上とか距離が長くしかも標高差もあるような登山では足に大きな負担がかかります。
数時間の登山では私もトレッキングポールは使用しません。
しかし、長時間歩く場合は単純に長く歩いた分だけ足が疲れるというだけではありません。
足が攣る、膝が痛む、足が擦れてマメが痛むなどの問題が加わってくるものです。
上半身の力で足にかかる負担を軽減するのがトレッキングポールなのです。
メリット② 不安定な足場でバランスを取る
ガレ場などの足場の悪いところや滑りやすい斜面などでバランスを取りながら歩くのにも役に立ちます。
こういった場所では転倒を防ぐことになるので怪我を防止する効果があります。
メリット③ 緊急時にも使える
これはあまり頻度の高い使い方ではありませんが、トレッキングポールは緊急時にも役に立ちます。
山で簡易的なテント(ツェルトといいます)を使用して急遽夜を越す場合にそのツェルトの支柱として使用することがあります。
トレッキングポールを使用するデメリット
デメリット① 両手が塞がる
トレッキングポールは1本で使うということもありますが、当然のことながら2本使う場合は両手がふさがってしまいます。
手を使ってよじ登りたいときなどはザックと背中の間に挟んだりして一時的に収納したりしますが、この両手が塞がるということを嫌がる人は結構多いです。
私が低山でトレッキングポールを使用しないのも身軽にサクサク登りたいからというのも大きいです。
デメリット② 足のトレーニングにならない
「足のトレーニングにならない「なるべく自分の力で登りたい」などの理由でトレッキングポールを使用しない人も多いようです。
私はなるべく膝に負担をかけず年をとっても長く登山を楽しむための道具として距離が長くなる登山ではトレッキングポールを使用しています。
膝を痛めたり怪我をしたりしてそこで登山生命終了になりたくないですからね。
デメリット③ 価格が高い
トレッキングポールはちゃんとしたものは意外にも高価で1本あたり10,000円前後するものが多いです。
私は登山を始めた当初にとりあえず何でもいいやと思いAmazonで割安な上記メーカーのものを購入しましたが意外にも10年近くいまだに使えています。
おそらく30回以上の登山で使用し、結構体重をかけたり酷使している印象ですがなかなか壊れませんね。
そろそろ本格的な新しいのが欲しいのですが。。。
トレッキングポールを選ぶポイント
それでは実際にトレッキングポールを買う場合は何を基準に買えばいいのでしょうか。
ポイント① グリップの形
まずはグリップいわゆる手に持つ部分の形です。
トレッキングポールのグリップには大きく分けて2種類あります。
I字型グリップ
I字型グリップはその名の通りアルファベットの「I(アイ)」の形をしたグリップ。
両手に2本持って使用するのが一般的で縦に伸びたグリップを握って使用します。
やや太めのしっかりとしたストラップが付いていることが多く、握力で握るのに加えてストラップにも力を分散させることができます。
I字型のトレッキングポールを両手に持ちまるで四足歩行をするようなイメージで手と足両方を使ってリズミカルに歩くことができます。
足の負担軽減が目的ならこのI字型の両手持ちが最も適していると思います。
T字型グリップ
T字型のトレッキングポールは基本的に1本で使用します。
I字型の両手持ちよりは補助的な感じでバランスを取るのにトレッキングポールを使用します。
片手が空くというのが最大のメリットです。
ただザックの外側に収納して携帯するときに木の枝などに引っかかりやすく邪魔になるというデメリットがあります。
エクステンショングリップ
個人的に重要だと思うのがエクステンショングリップ。
本来のグリップ部分の下にも握りやすいよう拡張されたグリップがある。
(上の写真だとコルク部分の下の黒い部分)
下りでトレッキングポールを長くして使用しているときに細かい登り返しがあるときにポールの長さを変えないままで握る場所を変えれば簡易的に登り用の短いポールのように使用できる。
これがとても便利。
ポイント② 長さ調整のロックシステム
トレッキングポールは状況に応じて長さを変えられるものですが、この長さ調整する方法にもいくつかのパターンがあります。
スクリューロック式
まずはポールをひねって回転させて緩め、長さを変えてから締めるというスクリューロック式のもの。
ポールに余計な長さ調整のためのレバーがないので草木などに引っかかる心配がない。
ただ力が必要なのと長さ調整に1本あたり20〜30秒程度の時間がかかるのでアップダウンを繰り返すような山で頻繁に長さを変えたいときにはちょっとストレスに。
連れがいる場合には少し待ってもらうなど声がけも必要になる。
レバーロック式
レバーで緩めたり締めたりするタイプのレバーロック式。
スクリューロックに比べて力がいらず圧倒的に時間がかからない。
グローブをしたままでも操作しやすいのも大きなメリット。
デメリットとしてはポールの外側にレバーが飛び出てしまうのでなにかに引っかかってしまうというリスクがあること。
私はスクリューロック式しか使用したことがないが初めてのトレッキングポールにはこのレバーロック式の方が良さそう。
ポイント③ ストラップ
T字型のポールではストラップは簡易的な場合が多いが、I字型のポールを使用する場合はストラップに結構な力がかかるのでしっかりとした柔らかい素材のものがおすすめ。
ポイント④ 収納時の長さ
収納時の長さについてはトレッキングポールの収納方法によって大きく変わります。
伸縮式
収納時の長さ:50〜60cm程度
伸縮式というのは伸び縮み。筒状のポールの中に吸い込まれていくような形で収納します。
収納した状態だと一本の短いポールになる。
トレッキングポールではこの伸縮式が最もメジャーかなと思います。
トレッキングポールの厚みが変わらないまま短くできるのがメリットです。
デメリットとしては後述する折りたたみ式に比べて収納時のサイズが長いことです。
折りたたみ式
収納時の長さ:30〜40cm程度
トレッキングポールがいくつかに分かれ、それがワイヤーで連結されているタイプです。
その構造上ロックシステムはレバー式です。
メリットはその収納時の短さ。
伸縮式のポールだとテント泊用の巨大なザックでもない限りザックの中に収納するのはまず難しいですが、折りたたみ式のポールならザックにしまうことができます。
ザックの外側に収納すると木の枝をくぐるときなどはどうしても邪魔になります。
伸縮式を使っている私はザックの外側のサイドポケットに収納していますが、何度もポールが引っかかるという経験があります。
それはもうそういうものと思って諦めていますが、ザックに収納できるというのは大きなメリットです。
ただ収納時に厚みがある、価格がお高め、強度が低いと言われている、ザックに出し入れするのが面倒などデメリットも多くあるかなと思っています。
仮に次にトレッキングポールを買うとしても私は伸縮式のものを買うかなと思います。
ポイント⑤ バスケット
トレッキングポールの下の方に付いている傘みたいな形のものをバスケットといいます。
土や雪などにトレッキングポールが奥まで刺さらないように付いています。
Amazonではいろいろなバスケットがセットになったものも多く売られていますね。
通常バスケット
この小さめのバスケットが通常のバスケットです。
硬い土の上だけならバスケット自体不要とも言えますが、ぬかるんだ地面などではポールが奥まで刺さらないようバスケットが役立ちます。
基本的に通常の登山では通常バスケットをつけっぱなしにしている人が多いです。
バスケットは別売りもしているので壊れたときやなくしたときに購入できます。
おそらく大抵のトレッキングポールは規格が同じなので合うと思います。
スノーバスケット(雪山用バスケット)
雪山用のスノーバスケットはその名の通り雪の上で使用します。
通常のバスケットだと雪は柔らかすぎでそのまま奥まで刺さってしまうこともあります。
そのためスノーバスケットは通常バスケットよりも面積が広く作られています。
ポイント⑥ 衝撃吸収システム
トレッキングポールには手首への衝撃がダイレクトにこないように中にバネのようなものが内蔵されているものがあります。
私も格安のトレッキングポールを使用していますがそれにも衝撃吸収システムは搭載されていて、特に下山時にポールを地面につくときには少しポールが沈むような感覚があります。
おそらく衝撃吸収システムがないと手首に負担がかかることはもちろん、手のひらにマメができやすかったりするんじゃないかなと思います。
ポイント⑦ 先ゴム
先ゴムというのはトレッキングポールの先につける黒いゴムのこと。
通常の登山では環境保護の観点からトレッキングポールには先ゴムをつけるのがマナーとされています。
ただ雪山の場合は先ゴムがあると雪にポールが刺さらず滑って危険だったりするので外して使用することもあります。
基本的にトレッキングポールを購入するとセットで付いてきますが、結構登山中に気づいたらなくなっていたりするものなので別売りでも売られています。
ポイント⑧ 素材と価格
最後になんといっても気になるのは価格。
トレッキングポールについて価格に大きく影響を与えるのがその素材です。
大きく分けてアルミニウムに金属を混ぜた素材のアルミニウム合金か、またはカーボンという素材が使用されています。
アルミニウム合金のトレッキングポールが2本で5,000円程度なのに対して、カーボン素材のものはその倍以上の価格のものが多い。
アルミニウム合金とカーボン何がそんなに違うかというとその軽さ。
概ねアルミニウム合金は1本220g程度でカーボンは170g程度。
2本持ちだと100gの差があります。
その他にアルミニウム合金の方が強度が強いが錆びるリスクがあるなどの特徴があります。
私は道具のこともよく知らないときに購入した下記メーカーの当時3,000円程度の2本セットのトレッキングポールを約10年使用しています。
もう30回以上使用して、10時間以上歩いたり2000mクラスの登山でも使用しましたが、このトレッキングポールが意外にも壊れない。
これといった不満点もないし問題なく使えています。
どの素材を使うかはそれぞれの考えですが、私は次に買い替えるとしてもアルミニウム合金のものにするかなと思います。
トレッキングポールは岩場に引っかかったり、転んだときに乗っかってしまったりして折れることは結構あります。
連れのポールが岩に挟まってポッキリ折れたのも見ましたし、自分が転んだときにポールに乗っかって今にも折れそうなくらい曲がったこともあります。
またなくしたり休憩したところで忘れてくるなんてこともよくある話です。
そう考えると軽いことだけがメリットのカーボン素材のものはちょっと高価過ぎるかなと思いました。
ブランド(メーカー)の紹介
ではトレッキングポールの主なブランドを紹介します。
LEKI(レキ)
LEKIはドイツで創業したポール専門のメーカーです。
トレッキングポールはもちろんノルディックウォーキング用などのポールも製造しています。
日本だと登山靴で有名なキャラバンのサイトでLEKIのポールが販売されています。
登山用品店でもよく見かけますが、LEKIのポールはなかなか高価なイメージですね。
シナノ
シナノは日本発のポール専門のメーカー。
シナノの公式サイトではトレッキングポールの使い方もわかりやすく説明されており、ポールに対する熱意が感じられます。
GRIPWELL(グリップウェル)
GRIPWELLは神奈川県の湘南に2001年に誕生した比較的新しいメーカー。
ヤマップ公式通販 YAMAP STORE でも取り扱いがあります。
どこで買うべきか
登山用品店で買う
登山用品店ではLEKIやシナノなどを扱っている店が多いですね。
だいたい1本10,000円前後の高価なものが多く、店にもよりますが意外と取り扱っている商品の種類が少ない印象です。
ただ握って持ってみたりして試せるのが登山用品店でのメリットですね。
ネットで買う
ネットだと割りと安価なものも多く売っています。
またこんなサービスもあります。
Amazonでは商品によって「Prime Try Before You Buy」が利用できます。
「Prime Try Before You Buy」とは簡単に言うとAmazon Prime会員なら無料で7日間お試しして気に入らなかったら返品、気に入ったら7日後にそのまま購入となる神システムです。
一部の商品がこの「Prime Try Before You Buy」の対象となっています。
初めて買うならずばりこれ!
① TheFitLife トレッキングポール カーボン 2本セット
初心者に最適なものを見つけました!
これを選んだ理由はカラーバリエーションに加えてエクステンショングリップ付き、そして初心者にも操作しやすいレバーロック式でカーボン素材で軽い。
さらに商品レビューによるとアンチショック機能も付いているようですね。
まさに初心者の最初のトレッキングポールとしては最適ではないでしょうか。
② DABADA(ダバダ) トレッキングポール 2本セット Amazon限定キット付 アンチショック機能付
安く購入したのに長年愛用できている、現在も私が使っているDABADAのトレッキングポールです。
感謝の意味もこめて紹介します。
これを書いているちょうど10年前の2013年にしっかりと購入履歴が残っていましたね。
おそらくちょっとバージョン変更はあるみたいです。
おすすめする理由としてはまず私が10年使用しているその信頼感、強度の強いアルミ素材、衝撃吸収システム(アンチショック機能)がしっかりついている、あとはなんといってもその安さですね。
まとめ
トレッキングポールはキツい登山では頼もしいアイテムとなります。
トレッキングポールを使用して今後長く登山を楽しみましょう!
新潟県在住。登山歴約10年の30代男性。地域コンプリート型登山家として新潟の山を制覇します。
たまにキャンパー。
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